福岡県きっての観光地、柳川の駅をおりて少し歩くと、国道沿いに見えてくるのは重厚なコンクリート造の建物。その1階にあるのが、今となっては珍しい純喫茶「珈琲廊 ゴンシャン」です。
オープンしてから半世紀が経とうとしている老舗のお店ですが、ご主人の北島敏秋さんの体調が芳しくないこともあり、2022年9月30日をもって閉店となりました。
北島さんのこだわりが詰まったインテリアと装飾の数々に加えて、長年の喫茶店経験の賜物である焙煎技術をまるごと引き継いでくれる方を探しています。
1.今回の後継者募集について
視界を遮るものがない見晴らしの良いカウンターの向こう側には美しいステンドグラス、手前にはサイフォン式の道具、ほかにも店内にある椅子や小物のひとつひとつには北島さんのこだわりがたくさん詰まっています。
北島さん「お店を始めた頃は『喫茶店経営』という専門の雑誌なんかもあって、それも見ながらこだわりのあるお店を全国巡って研究したんですよ。神戸のにしむら、それから東京の銀座にある琥珀亭、福岡だとサン・フカヤには顔も覚えられるくらいしょっちゅう行ってましたよ」 ゴンシャンの店内で特徴的なのが、menuという小さな文字とともに女性の顔が彫られた木箱。お客さんが「これなんですか?」と聞いてきたら、その人はゴンシャンに来たのが初めてだと分かるくらい、他のお店ではあまり見かけないものだそう。
北島さん「オープンした頃は、インドネシアに行ったときに買った箱を使っていたんですけど、大分の由布院に行ったときに偶然、こうした木箱のメニューを置いている喫茶店に入ったんですよ。ひと目で気に入って、誰が作ったのかを尋ねて職人さんのところまで行って作ってもらうようにお願いしたんです。もう30年以上経ちますけど、まだまだ使えてますね。
お店のシンボルでもあるお嬢さんのマークは、佐賀の作家さんにお願いして、切り絵で作ったもらったんですよ」 引き継ぐ方には、北島さん特製デザートのレシピや作り方を教えてもらうこともできます。ゴンシャンは建物の設計当初から喫茶店を想定して作られた場所でもあるため、基本的には同業種での営業を考えている方が対象です。また、建物と内装は可能な限り現状に近い状態でお渡しし、毎月の賃料をいただく形での引き継ぎを希望されています。
引き継ぎの対象となるのは建物の1階部分にあたる16坪ほどで、席数は30弱です。2階には引き続き北島さんご夫婦がお住まいになられる予定です。こじんまりとして居心地の良い空間ですが、お店として営業していくには一人では難しいそう。実際、北島さんも50年近くずっと、奥様とお二人でお店を切り盛りされてきました。
喫茶ゴンシャンの素敵な空間と北島さんの想いを引き継いで、この場所で新たにスタートを切りたいという方からのご応募をお待ちしています。
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