堺屋(旧木下家住宅)【八女市】新奇な意匠と伝統技術が駆使された貴重な建造物

重要伝統的建造物群保存地区・八女市福島の伝統的町屋の連なる通りに面した場所にある、八女市有形文化財「堺屋(旧木下家住宅)」

 

ここは、堺屋という屋号で江戸時代から代々酒造業で栄えた木下家の11代目である木下次郎氏が明治時代に建築したもので、現存している離れ屋敷は、日露戦争の英雄である軍人・乃木希典大将も訪れた迎賓館として利用されていました。

屋根は格式高い形式の重層入母屋造を基本とし、江戸時代初期に開発されたとされる、軽量化と下地にまわった水の処理を考えられた桟瓦葺(さんがわらぶき)になっており、妻部分には富士山形に模様を入れ、両袖には鷹と茄子が描かれています。

玄関より室内に入ると、三間続きの和室があります。それぞれ七畳半、七畳半、十二畳半という間取りになっていますが、これは繁盛(半畳)の願いが込められたものだと言われています。

特に意匠面で優れている一番南側の和室には、1000本に1本しかないといわれる黒渋柿を長年川に浸し、柔らかい部分を腐らせ、残った堅い芯のみを使用した床柱や、屋久杉の一枚板を金箔で縁取った欄間など、今ではなかなか手に入らない貴重な建材が使用されています。

 

他にも砂鉄を塗った壁や折鶴の釘隠し、空間を強調する折上げ天井、釘隠しや襖の手引は各室で異なるという凝り方です。

また、外部だけではなく座敷にも一富士、二鷹、三茄子の彫刻があるなど、各所に縁起物が施されているあたりに商売人らしさを感じ取ることが出来ます。

縁側の床には桜の木がふんだんに使われたり、一見細く見える外部の柱は大木の芯だけを使用するなど贅を尽くした造りになっています。

さらに庭園には、地中に埋められた甕(かめ)に、ししおどしから流れ落ちたしずくの音がまるで琴の音のように響き渡る「水琴窟(すいきんくつ)」が設置されています。

 

縁側に座り、心静かに耳を澄ましてみるとその響き渡る音色に心癒されます。


新奇な意匠と伝統技術が詰め込まれた「堺屋(旧木下家住宅)」。一見の価値ある貴重な建造物です。

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今回訪れた場所

◇堺屋(旧木下家住宅)
【住所】
〒834−0031 八女市本町184番地
【開館時間】
10時~17時
【休館日】
月曜日 ※休日の場合は翌日と12月28日から1月4日まで
【料金】
入場無料
【TEL】
0943−23−7611
【駐車場】
あり
【トイレ】
あり
【アクセス】
・西鉄、堀川バス福島下車徒歩12分
・九州自動車道 八女ICより車で10分

 この記事の内容は2020年6月現在のものです。詳細は施設ホームページなどから最新情報をご確認ください。

 

 

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